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2011年4月

2011年4月14日 (木)

春に背いて

 中山成彬です。

 南国宮崎は桜が終わり、つつじが一斉に咲き始めました。田植えも終わり、若稲がすくすくと育っています。まさに春爛漫、生きとし生けるもの全てが活気に溢れた気候となりました。

 しかし、東日本大震災で死者、行方不明者が2万8千人を越えています。突然、最愛の家族を失くされた方々の深い悲しみは窺い知れません。被災地で今だ避難所での不自由な暮らしをされている人々や福島原発周辺で急に立ち退きを通告されて悩んでおられる人々の事を考えると、今年の春はなかなか心が晴れません。

 築いてきた財産の一切を一瞬にして失くされた方だけでなく、ガレキに囲まれ、半壊した家の中で乏しい食料や燃料の中で毎日を生きておられる方々も多いと思います。九州各県にも既にたくさんの家族が移住してこられていますが、遠く故郷を離れこれからの人生設計を考えて途方に暮れておられる方も多いようです。余震も治まらず、まだ大震災は進行中です。

 国内のみならず世界各国から義捐金や支援物資が届けられています。衣類等は需要と供給がなかなか合致しないという歯がゆさが否めません。しかし、お金については公平・正確よりもとりあえず一日も早く支給するべきだと思います。

 この文明社会の中に考えられないような、まさに千年に1回の歴史的な大災難が襲いかかってきたのです。小さな事を言っている場合ではありません。静かに耐えている被災者ですが、限界があります。日本国の総力を挙げて、大胆に迅速に、それこそ歴史に残る決断と実行で被災者対策を行うときです。

 一方、福島原発の方は収拾不能な状況に陥っているようです。チェルノブイリ事故と同じレベル7に急に引き上げられて、政府と東電に対する国民の不信を増幅させました。なりより、皆が避難する中で、現場に留まり復旧工事に携わっておられる人達のことを考えると身が切られる思いです。家族の方々のご心配はさらに深刻なことでしょう。原発についてはこれまでもその危険性についてさまざまな指摘がされてきましたが、安全対策に本当に真剣に取り組んできたのか、どこか無責任に流れていなかったのか反省する必要があります。

 農産物や魚介類の風評被害も広がっています。宮崎県は昨年今頃  口蹄疫が発生し、風評被害に悩まされましたので大変なことがよく分かります。いっそ、政府が全部買い上げて処分する方が、汚染された魚もいなくなり、今後、被害の査定に手間取るよりはましではないかとさえ考えます。

 私達の今の豊かで便利な生活が原子力発電を抜きに考えられないことは自明であり、地球温暖化防止のために脱石炭、石油発電を進めなければならないことも否定できません。世界に冠たる技術先進国であり、原発を世界に売り込もうとしてきた日本です。今こそ復旧に朝野を挙げて、日本の原子力発電に対する世界の信頼を回復しなければなりません。

 それにしても菅総理はお粗末過ぎます。震災以来ぶら下がり記者会見を拒否し、もっぱら官邸にこもり周りを怒鳴り散らしていると聞きます。旧知の専門家をアドバイザーとして周りに集め、又、たくさんの検討会議を立ち上げています。今は実行あるのみなのに、まさに、「会議は踊る」の様相を呈しています。先般は「東日本は潰れる」と発言し、一昨日は「10年から20年住めないからそういう人にエコタウンを考える」と発言したと会った人に公表され、いずれも批判されると慌てて否定しました。相変わらずの責任逃れの面目躍如ですが、そもそも被災した人が高級なエコタウンに住めるのか、仕事はどうするのか、支払はと考えないのでしょうか。

 首相のこれまでの経歴を見ると、学生運動や市民運動、そして政治家になってからも専ら体制批判の専門家でした。批判の材料を集める為にはアドバイザーを集めることは便利が良かったのでしょう。しかし、内閣総理大臣となり行政のトップに立った今は、行政機関を信頼し、動かしていかなければなりません。この点が、自民党政権にあっては、党の部会長や各省の政務次官等を歴任させ、官僚を知り、官僚組織の動かし方を覚えていくという自民党の人材養成方法が効果的だったのだろうと思います。政権交代前、「政治主導」とか「脱官僚」が良いことのように、持て囃されましたが、今、それがこの緊急事態において1番の障害になっていることの皮肉を思わざるをえません。

 官僚が何かやろうとすると差し出がましいと叱責される民主党内閣です。出世がなによりの人生目標である官僚ですが、自分の出世を度外視した愛国の官僚達が立上がってくれることを期待しています。

 民主党内も菅総理を引きずり下ろす工作が始まったようです。しかし、学生運動の時代から内部闘争に明け暮れ、それに情熱を燃やす連中です。まして、総理の座にあることが自己目的化している菅総理が自ら簡単に辞めることはありえないでしょう。内閣不信任案が可決されるような事態が出態するのか、その場合、被災地の選挙人名簿が整わないということで選挙ができず、総辞職という事になるのか。今や菅総理の存在自体が今度の大震災の被害を拡大し、日本国民が心を合わせて復旧復興に立上がる最大の障害になっていることにご本人が早く気付いて欲しいと思います。

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2011年4月 1日 (金)

大政奉還しかない

 こんにちは、中山成彬です。

 東京脱出組が多いせいか、なかなか帰りの便が取れず、先週、地震後やっと上京してきました。4階建ての4階にある新宿の我が家は、ショーケースのこけしが2個倒れただけで、被害はありませんでしたが、東京でもいろんな人の話を聞くと、それぞれ大変だったようで、地震現場に居合わせなくて申し訳ないような気持になります。

 東北地方の被害者はもっと大変な日々を送っておられます。高い堤防を築きギネスブックにも載り、内外からも視察が来たという地区も被災しています。まるで、人智をあざ笑うような大自然の猛威です。直前までの平穏な日々がウソのような一瞬の出来事でした。夢であってほしいという被災者の気持が分かります。鴨長明の方丈記を思い出します。

 都内のコンビニを廻ってみました。飲料水の棚だけはカラでしたが、他の商品はほぼ揃っていました。宮崎でも電池がなくなるような瞬間的、全国的な買い占め騒動でしたが、商品管理が徹底して無駄な在庫は置かない日本社会になっているのでしょう。

 瓦礫の山と化した被災地はまだほとんど手付かずのようで、被災者は一日一日を体調を崩さないでいき延びるのがやっとという状況のようです。町ぐるみで他県に避難するという決断をせざるをえない地区もあるようで、愛郷心の強い東北の人々にとってはたまらない心境だろうと察せられます。

 福島原発も大変厳しい状況に追い込まれています。冷却する為に注水しなければならないし、その水は放射能を含んで排出せざるを得ないというジレンマの中で、現地は必死で闘っています。長期戦は避けられません。原発関係者のみならず、避難を余儀なくされた地元の方々はこれからの生活を考え、それこそ夜も眠れない日々を過ごしておられることでしょう。

 ところで、さまざまな報道がなされる中で、自衛隊と米軍の活動の場面があまりないように思います。インターネットや海外の報道ではそれこそ獅子奮迅の活躍をしてくれているようです。反自衛隊、反米の強いマスコミはあまり報道したくないかも知れませんが、自衛隊は国民に完全に認知され、頼もしい存在となりました。米軍の「ともだち作戦」も本当に献身的です。沖縄の新聞はそれでも普天間はいらないと反米を煽っていますが、日米安保のきずなも強力になりました。貧しい国からの義捐金もあり、海外からの温かい支援に対して日本としての心からの謝意を表さなければならないと考えます。一方、世界から寄せられる善意の陰でロシアや中国は領土的野心を隠そうともしません。円高もそうですが、震災に気をとられて腹黒い世界政治の現実を忘れてはなりません。

 ところで、前回、日本という国は現場の力が強いということを書きましたが、計画停電という中でも、色々なことが見えてきます。菅首相のお膝元、武蔵野市を計画停電から除外するように働きかけて、実現したと宣伝して、批判されている菅首相の元秘書の市議もいます。しかし、ネットの世界でいち早く節電を呼びかけ、ポスターを作り、商店街等に張ってもらっている若い人達もいます。

 「八洲(やしま)作戦と名付けた発想に蛍の光の4番の「千島の奥も、沖縄も、八洲の内の、護りなり」という歌詞を思い出しました。「世界一まっ黒な日本にしよう」と書かれただけの真っ黒なポスターに宇宙から日本列島を見ている若い人の感性を感じました。

 今回の震災の後、随所にくりひろげられた互いを思いやる日本人の優しさと同時に、このような日本人の所作に受け継がれてきたDNAを見い出して力付けられます。

 この東日本大震災と福島原発事故は、その復旧、復興に大変な時間と資金と労力を必要とします。原子力発電は当分新規建設はなかなか難しいでしょう。CO2(二酸化炭素)25パーセント削減などはどっかに吹っ飛んでしまいました。中東の政情不安もあり、原油価格の高騰は電気料金にも大きな影響を与えます。電力供給の低減は日本経済の成長にも大きな制約要因となっていくでしょう。今年の夏が猛暑にならないように祈りますが、エネルギー多消費の毎日の生活を見直すきっかけになるかもしれません。

 それにしても、最悪の時に最低の総理を戴いた日本人の不運を思わざるをえません。朝鮮人からの献金で陥(菅)落寸前であった菅首相は政権延命のチャンスと捉え、パフォーマンスにこだわって取り返しのつかない損害を国家と国民に与えました。3月末に内閣支持率が上向いたという世論調査が出ました。震災地をどう調査したのだろうと疑ってしまいますが、民主党の支持率が下がっていることをみると、ダメな総理でも今は支持してやってもらうしかないという国民の悲しい選択でしょう。

 「信なくば立たず」という古い言葉を思い出します。これから連立の問題等が出てくるでしょうが、一番重要な震災担当大臣を自民党にまかせるというのなら、政権を自民党に返すという大政奉還が必要となってくるのではないでしょうか。

 「こぶし咲くあの岡北国の北国の春」千昌夫の歌声が聞こえてくるようです。今、宮崎は桜満開です。北国にも一日も早く暖かい春が来ることを祈ります。

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