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2010年6月 2日 (水)

「郵政民営化の見直し」法案について考えること

 こんにちは、中山成彬です。

 「郵政民営化見直し」法案が31日深夜の衆議院本会議で採択された。衆議院総務委員会でたった6時間の審議のみで、審議不十分との野党の猛抗議を無視して、本会議も過去にないような強引な採決であった。

 小泉内閣のもとでの「官から民へ」の「1丁目1番地」法案であったとはいえ、「郵政民営化」法案は110時間に及ぶ審議時間と民間金融機関や有識者の参考質疑を行なうなど、過去に例を見ない長時間にわたる丁寧な審議だったことを思うと、今回の国会運営はまさに暴挙としか言いようがない。

 6月16日の会期末が迫っている中で、40万票といわれる郵政票目当てのまさに選挙がらみの法案である。これが日本経済や金融システムに及ぼす影響は致命的なものになる可能性があり、それらを全く無視したやり方は国民不在というしかない。

 過疎の進む地方に住む者にとっては、郵便局を4分割して職員をバラバラにしてしまった民営化は非効率的で、血の通ったサービスとは思えない。郵便物を配達しながら貯金を頼まれたり、簡保を勧誘するなど1人でいろんな業務をすることは、むしろ人材活用としては効率的である。また、人里離れた所に住む人々にとってはまさにライフラインともいえ、そういった点での見直しはあっていいと思う。

 今回の見直しの一番の問題点は、郵便貯金の限度額を1千万円から2千万円へ、簡易保険の限度額を1,300万円から2,500万円にそれぞれ引き上げることだと思う。

 3分の1の株を国が持っており、「暗黙の政府保証」が付いている郵便局に、ペイオフの限度額1千万円の地域金融機関からの資金流出が始まることは目に見えている。そして、民間の中小金融機関の預金量が減少し、その結果、今でも貸し渋りなど資金繰りに苦しむ中小企業者の経営を圧迫することになろう。景気回復のために、民間の企業活動を活発にしなければならない政策に逆行することになる。

 さらに、集まった資金をどう運用するのかが大きな問題だ。今でも8割近い国債の購入をさらに増やすことになり、それが改正の一つの目的でもあろう。これは国の財政規律を緩める誘因になり、いいことではない。国民の貴重な貯金や保険を国債等に回すのは、よく言われるように「タコが自分の足を食う」のと一緒で、日本経済の発展には寄与しない。

 また、政府の一部に国家的なファンドを作り、活用するという案もあるようだが、かって、財政投融資制度を通じた郵政資金の流れの非効率性が批判され、長年にわたり、政府系金融機関や道路公団等の改革を行ったことを思い出すべきだ。

 さらに、海外に投資することも考えているようだが、国際的な金融危機が多発する世界において、海千山千の競争相手に対抗して、それ程うまい運用ができるのだろうか。損失は最終的には国民が負担することになるのだ。参議院ではもっと慎重に時間をかけて審議してほしい。

 さらに、今回の国会運営で明らかになったように、民主党のやり方は中国の全人代(中国の国会)を想起させる。党がすべてであり、国会も行政も司法もその下にある。国会は単なる承認機関と考えていることは、民主党が政務調査会を作らず、議員間の議論を禁じていることにもよく表れている。民主党議員は採決要員に過ぎないのだ。

 また、口蹄疫問題で早期の対策を求める自民党議員の申入れを農水大臣が直前にキャンセルするなど、民主党にあらざれば、陳情にも耳を貸さない独裁体質が感染を拡大させることになった。

 ここまで打って、鳩山首相の退陣表明を知った。見かけによらず、しぶとい首相のことだから、簡単には辞めないと思っていたので、驚いた。改選を迎える参議院の危機感が相当強かったのだろう。野党が衆院の解散総選挙を求めているが、民主党が野党のとき常に主張してきたことであり、ブーメランのように降りかかってくる。国会の会期は延長しないという。会期末にかけての与野党の攻防が始まった。
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コメント

おかしな論法です。小泉・竹中政治の中で、時間をかけて議論したのは、民営化が虚妄の論理であって、構造改悪に反対する意見があまりにも多かったからです。市場原理主義の政策は、実際にも失敗したからではありませんか。もう、時間をかける必要などないのです。むしろ、自民党やその関係者が、反省をすべきなのです。自民党が、小泉一派に乗っ取られたのでしょうか。残念なことです。

投稿: Orwell | 2010年6月 2日 (水) 21時43分

初めて、コメントいたします。
北教組問題で騒がれている北海道で小中高大と教育を受けてきました。
この年になって気づいたのがまったく恥ずかしいのですが、民主党政権になって、義家議員の国会質疑を見ている時に、自分が偏向教育を受けていたことに気づきました。
「中山成彬はなぜ日教組と戦うのか」も拝読し、「過去現在未来塾」の発足記念講演にも足を運びました。
心の奥底までを支配する「日教組教育」を国民ひとりひとりが自分自身に問いかけなければ、おそらく、民主党政権の本当のおそろしさは、真には理解されないのではないかと、自分の経験から思っております。

僭越ながら、自分の教育を振り返り、日本について考える記事をブログで書いているのですが、「同じです」というコメントをいただくことがあります。
先生が日教組批判をされた時に比べると、状況が好転していると思う私は甘いでしょうか。

参院選で、輿石氏が落選すること、そして、できることならば、中山先生が義家議員と強力なタッグを組んで、日教組解体を推し進めていただける日が来ることを心から祈っております。

投稿: ドサンコ | 2010年6月 3日 (木) 13時03分

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